モーターサイクルロードレース
義足で挑戦!
「必ず復帰してやる」
すべてはこの強い意志より始まった。
平成19年6月9日・10日 鈴鹿ST600 20Lapsロードレースで、復活を遂げた一人のレーサーがいる。
中井貴之さん(39歳)である。
中井さんは、数々の選手権で勝利を収めた名ライダーである。
悲劇は、2002年8月に起きた。もてぎオープン7時間耐久ロードレース(通称:もて耐)での出来事だった。予選3位からスタートした中井さんは、1周目より一度もトップを譲ることなく走行。しかし、4時間半過ぎにマシントラブルが発生。スロー走行となった直後に後続車の追突を受け、転倒し負傷。その事故から3ヶ月後に左足の膝から下を切断し、義足となる。
中井さんは、再びサーキットに戻る決意をし、切断後、初めて臨んだのが今回のレースだった。 このレースの為に、特別に用意されたのが、右足でギアを操作する特殊なバイクと特別に組み立てられた義足である。
今までのレースでは、常にトップを走っていた中井さん。本番直前の6月7日、久々に鈴鹿のフルコースを走るなど、わずかしかなかった練習時間にもかかわらず、予選100強人中20位と好タイムを出し本戦へ進み、復帰を強烈にアピールした。
『決して立ち止まらず、楽しみながら前に向かって進み続ける』
この言葉を胸に、中井さんの復帰第2戦は、7月28日。鈴鹿4時間耐久レースST600に参戦する。
中井 貴之さんプロフィール (Nakai TAKASHI)
生年月日 | 1968年4月2日 | |
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出身地 | 京都府 | |
主な戦績 | 1995年 | 2年連続鈴鹿GP80クラスチャンピオン 鈴鹿NK4参戦 NK4時間耐久:9位 鈴鹿SP400参戦 |
2000年 | 世界選手権日本GP併催スーパーバイク6位 鈴鹿4時間耐久 ポールポジション 鈴鹿SP400 シリーズチャンピオン |
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2001年 | 鈴鹿SP 2時間耐久優勝 もてぎオープン7時間耐久ロードレース(もて耐)優勝 (この時、TSRは4連覇) |
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2002年 | 鈴鹿SP OPEN 4時間耐久優勝 もてぎオープン7時間耐久ロードレース(もて耐) 予選3位から好スタート。1周目よりトップをキープしたが、マシントラブルが発生。負傷。 |
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2007年 | 義足にて復帰を果たす 鈴鹿ST600 20Laps ロードレース参戦 予選20位 決勝58位 鈴鹿4時間耐久ロードレース参戦 予選28位 決勝47位 |
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2008年 | 鈴鹿4時間耐久ロードレース参戦 決勝45位 MiniMoto 4耐参戦 |
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2009年 | 鈴鹿4時間耐久ロードレース参戦 予選クラス7位 決勝27位 もてぎオープン7時間耐久ロードレース参戦 決勝9位 SUGOオープン6時間耐久レース 決勝2位 MiniMoto 4耐参戦 |
中井 貴之さん 2010年の活動予定
7月24日 | 鈴鹿4時間耐久ロードレース |
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8月22日 | 2010エンデュランス・カーニバル もてぎオープン7時間耐久ロードレース“もて耐” |
9月26日 | 2010エンデュランス・カーニバル もてぎマスターズ7時間耐久ロードレース“もて耐” |
10月 | SUGO3時/6時間耐久ロードレース |