第30回日本義肢装具学会学術大会「ステイトオブクラフト」に参加して
私は、平成26年10月18日~19日に開催された第30回日本義肢装具学会学術大会にて開催された「ステイトオブクラフト」に応募いたしました。
今回は、『「軽量」・「デザイン性」に優れ、日本ならではの生活環境に即した下腿義足の製作』というテーマでした。
私は主に義足の製作を担当しており、日頃義足ユーザーの方にお会いすることも多いため、自分への挑戦を含めいい機会だと思い申込みをいたしました。
書類選考ののち参加が認められ、モデル様の採型、仮合せ1回、そして最終選考(大会当日)というスケジュールで行われました。
モデル様とは採型の際に初めてお会いしましたが、お話を伺うと高活動の方でゴルフがしたいという希望がございましたので、義足の軽量性・外観の良い外装の脱着にこだわって製作してみようと考えました。
義足の軽量化・外装の脱着に特化した義足を製作するために、試行錯誤のうえ様々な工夫を凝らしてみました。
外装の装着完了した状態
※外装は脱着しやすいように、2ステップで装着可能にしてあります。
選考は大会長の椿原先生(川崎医療福祉大学学長)、理学療法士1名、義肢装具士1名にモデル様を加えた4名の審査員と学会参加者からの投票により行われました。
その結果、最優秀賞という形で評価して頂きました。これまで多くの義足ユーザー様と接する中で、ユーザー様が私に様々な問題点を教えて下さった事が今回の結果に繋がったと思っています。今後もこれまで以上に努力し、日々精進していきたいと思います。
残念ながら今回の義足は、パーツの全てを福祉制度の範囲の中で製作することは難しく、コンペならではの材料を用いて製作いたしました。一日でも早く、これらの材料や仕様が福祉制度の範囲の中で提供できる日がくることを願っております。
義肢装具士 田中真悟