私は、8月に国際義肢装具協会(ISPO)認定Category1個人認証試験を受験いたしました。このCategory1とは、義肢装具士養成校において、ISPOが定めた4年制カリキュラムを修めた者に対する卒業証明のようなものになります。義肢装具に関する一定の教育を受けたことを示す国際的な基準であるため、近年は各国の義肢装具士養成校がこのCategory1認定を受け、義肢装具士の教育水準を保とうとする傾向にあります。平成27年度現在、日本で個人認証を受けるには、ISPOに認定された義肢装具士養成校を卒業した上で、臨床経験を積み、個人認証試験を受験する必要があります。
本年の個人認証試験は、事前のレポートに加えて、症例報告、義肢装具それぞれに対する実技試験ならびに筆記試験が行われました。試験内容が多岐にわたるため、受験にあたっては多くの方にご協力をいただき、無事に個人認証を得ることが出来ました。国内外の教育制度の違いから、日本における個人認証試験は本年が第二回であり、この制度で Category1認定を受けた義肢装具士は、まだ私を含めて5名しかおりません。国内の義肢装具士に対しても知名度が低く、日本の現状では、Category1認定は重要視されていないとも言えます。しかしながら多くの場面で国際化が叫ばれる今、国外の義肢装具士の多くが持ち合わせているCategory1認定は、決して軽視できるものでは無いと考えられます。これから先、国内におけるCategory1認定の評価を上げるため、個人認証を受けた義肢装具士として少しでも貢献できるよう、精進いたします。
義肢装具士 金岡 祐里